上井草便り

10分間
 決勝戦、勝負を分けたのはシンビンの時間帯でした。相手のシンビン(ツイ選手、平原選手)の時間帯に2トライを含む17点を奪い、逆に自らのシンビン(HO有田隆平選手)の時間帯は相手に得点を許しませんでした。大学選手権に入って大活躍を見せていたFWのキーマンがピッチを離れた10分間を支えたのは「守ったら終わりだと思ってたんで、一人少なくても、絶対に受けるなという話をした」(No.8豊田将万主将)というフィフティーンの攻めの気持ちと代役として入ったHO塚原一喜選手の存在でした。

 試合前日、雨のため体育館で行われた決意表明。塚原選手は体育館の外まで響くほどの大きな声で「(自分には)スクラムしかない!明日は押すだけです!」と仲間に誓い、その言葉通り3度のスクラムを無難にまとめ、そして2本のラインアウトスローも確実にマイボールキープ…と突然やってきた出場機会にも冷静さを失わず、チームに落ち着きを与えました。

 常日頃から、「出られない4年の分も…」と口にする塚原選手は東京ドームホテルでの祝勝会の席で、マイクを渡されて「自分がここまで来れたのも同期の安福、堀内、河邑の3人と切磋琢磨してきたおかげ」と仲間への感謝の思いを口にしていました。
シンビンの間の代役出場のため、”記録”上は出場なし。それでも心優しきラガーマンがピッチを駆け抜けた10分間はしばらくファンの”記憶”に留まることと思います。 【鳥越裕貴】

とにかく大きな声でとにかく明るい、チームのムードメーカーにもなっている塚原一喜選手

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